ドラマティック・バレエの最高峰、 天才振付家ジョン・クランコの伝統を今に受け継ぐ名門、4年ぶり来日!
シュツットガルト・バレエ団
2012年日本公演
バレエの悲劇・喜劇はシュツットガルトにおまかせ! 美しくも演技達者なドラマティック・ダンサー集団が、 日本に極上の笑いと涙をお届けします!
ドラマティック・バレエの巨匠振付家、ジョン・クランコの伝統を受け継ぎ、日本でも多くのファンをもつドイツの名門シュツットガルト・バレエ団が、4年ぶりに来日を果たします。 言葉のないダンスという表現で、長編文学のあらすじを流暢に語り、登場人物の性格や心理をリアルに描いてみせる天才振付家、ジョン・クランコ。彼の下に1961年に創設されたシュツットガルト・バレエ団は、わずか7年ほどで世界のトップクラスの水準に躍り出て、“シュツットガルトの奇跡”と称えられる伝説的な躍進を果たしました。クランコが45歳の若さで早世した後も、彼の傑作の数々とともに、ダンサーであると同時に優秀な俳優たらんとする伝統が受け継がれています。 今回上演されるのはまず、日本で10年ぶりに上演されるクランコの最高傑作と謳われる、抱腹絶倒の「じゃじゃ馬馴らし」。シェイクスピア原作によるこの舞台は、演劇よりも映画よりもミュージカルよりも、クランコ振付のバレエが面白い!という声があるほどです。 もう一つは日本初演となるクランコ版の「白鳥の湖」。シュツットガルトに着任してまもなく独自の解釈のもとに再構築し、発表と同時に衝撃をもたらした本作は、ヌレエフ版、ブルーン版、ノイマイヤー版などのちの振付家たちの演出にも大きな影響を与えました。 リード・アンダーソン監督下の現在のシュツットガルト・バレエ団は、長身で美しい、さまざまな国籍のダンサーを擁していますが、彼らのいずれもが「演じること」を強く志向することで一致しています。そんな美しきドラマティック・ダンサーたちの、極上の笑いと涙あふれる舞台をご堪能ください!
「白鳥の湖」 Alicia Amatrian/Friedemann Vogel
photo: Stuttgart Ballet
ドラマティック・バレエの伝統を生み出した、20世紀屈指の天才振付家 ジョン・クランコJohn Cranko
1961年、英国ロイヤル・バレエ団の若き振付家だったジョン・クランコは、シュツットガルト・バレエ団の芸術監督として招かれました。英国で機智に富んだ多彩な作品が人気を博し、レビューも手掛けて大きな成功を収めていた気鋭振付家クランコは、オーディションによって広く優秀なダンサーを集め、彼らのために新作を精力的に創造しました。「ロミオとジュリエット」で若い恋人たちの物語を生き生きと描く一方、「白鳥の湖」では古典に新しい解釈を加えて発表。そしてプーシキンの文学をもとにした傑作「オネーギン」を生み出したあと、今度はシェイクスピアの喜劇「じゃじゃ馬馴らし」を大胆なイマジネーションと雄弁な語彙で創作。登場人物の性格や心理、彼らの会話までをも生き生きと表現するクランコの舞台は、大きな共感と感動をもたらしました。 1969年、シュツットガルト・バレエ団は当時ダンスの中心地と認められていたニューヨークで、初のツアーを3週間にわたって行い、その歴史的な成功は“シュツットガルトの奇跡”と称えられました。 また、つねに自由で創造的な気風に満ちていたシュツットガルトでは、若手振付家の育成の場も設けられ、ジョン・ノイマイヤー、イリ・キリアン、ウィリアム・フォーサイスなど、次世代の大物振付家たちが育っていきました。 1973年、2度目のニューヨーク公演から帰還の途中、クランコは45歳という若さで亡くなり、その早過ぎる死は世界中に大きな衝撃を与えました。しかし残された者たちの結束は固く、クランコが築いた伝統は信念をもって受け継がれることになったのです。
photo: Hannes Kilian/Stuttgart Ballet blau