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![幸福は心の豊かさにある。](images/about01.jpg)
![ウィーンとミラノ、オペラの二大都市をめぐる幸福の旅](images/about02.jpg)
![ウィーン・フォルクスオーパー](images/about03.jpg)
![ウィーン国立歌劇場](images/about04.jpg)
![ミラノ・スカラ座](images/about05.jpg)
オペラ・フェスティバル 2012〜2013
幸福は心の豊かさにある。
3月11日の東日本大震災は、人間の幸福とは何だろうと、私たちに問いを突きつけたような気がします。家や物が地震で潰されたり、津波で流されたりした映像をテレビで見るにつけ、これまで物にこだわってきたことが虚しく感じられます。「命があるだけでもありがたい」という被災者の声が胸を刺します。今回の震災で人間の幸福が物ではないことを、あらためて思い知らされたような気がします。だからこそ、教育や宗教、芸術が必要なのでしょう。身につけたものは、奪われることはありません。心の豊かさにこそ、幸福があるように思えます。今回の大震災を体験し、人生の価値観が大きく変わった人も多いのではないでしょうか。 1987年にスタートした〈オペラ・フェスティバル〉シリーズは、今回で25年目を迎えます。4半世紀におよぶ時間のなかで、オペラ・ファンの方々はたくさんの感動に巡り会ってきたのではないでしょうか。オペラが人生を豊かにしてくれた、と感じている人も多いと思います。すでにオペラ・ファンにとって、このシリーズは今後の人生の行事として、なくてはならないものになっているようです。輝かしい声と、天上の音楽が響き合って生の息吹を感じさせるオペラは、まさに生の祭典です。オペラを観る喜びは、生きていることを直に感じる喜びなのです。 日本に居ながらにして、本場以上の感動が味わえるのが、この〈オペラ・フェスティバル〉シリーズであり、それらの感動をあらかじめ予約できるのが、〈オペラ・フェスティバル〉特別鑑賞会なのです。これまでのシリーズは、3年~4年の期間でラインナップを組んできましたが、「この時期、長い期間はどうも・・・」という現会員の声を反映するかたちで、今回の期間は2年に設定しました。むろん、この先2014年、2015年の計画も進行中です。今回のシリーズでは、ドイツ・オペラとイタリア・オペラの最高峰、ウィーン国立歌劇場とミラノ・スカラ座をメイン・ディッシュに据え、前菜として楽しく陽気なウィーンのオペレッタを配しました。これ以上の強力で魅力的なラインナップは考えられないのではないでしょうか。人生はいかにたくさんの感動を味わうかによって変わってきます。感動は心を豊かにします。オペラの感動は幸福を実感させてくれるのです。
ウィーンとミラノ、オペラの二大都市をめぐる幸福の旅
ウィーン・フォルクスオーパー
Volksoper Wien
2012年│5月
ウィーン・ フォルクスオーパー 総監督 ロベルト・マイヤー
ウィーン・フォルクスオーパーは、オーストリアの大規模な文化団体としては初めて2011年4月10日に日本のための大々的なチャリティー・コンサートを行い、その収益金を日本赤十字社に寄付いたしました。 日本はわたしたちにとって身近な国であり、地理的に地球の反対側にはあっても、わたしたちは日本のみなさまに対して親愛の念を抱いており、それゆえ、みなさまが直面された苦難に深い衝撃を受けております。 2012年5月に予定されている日本公演を行うことについて、わたしたちは今日まで一瞬たりともためらうことはありませんでした。公演は、ヨハン・シュトラウスの『こうもり』、フランツ・レハールの『メリー・ウィドウ』のオペレッタ2 演目、それにウィーン・フィルハーモニー管弦楽団創立者、オットー・ニコライの筆による『ウィンザーの陽気な女房たち』というオペラ作品を日本のファンのみなさまにご提供します。そして、ふたたび音楽の喜びに、屈託なく浸れるひとときを堪能して頂きたいと思っております。また日本公演を行うことも、ファンのみなさまに対するフォルクスオーパーの責務とも考えています。 フォルクスオーパーの第8 回日本公演を心待ちにしております。そしてここにおきまして早々とみなさまにご挨拶を申し上げます。
ウィーン国立歌劇場
Wiener Staatsoper
2012年│10月~11月
ウィーン国立歌劇場 総裁 ドミニク・マイヤー
ウィーン国立歌劇場が定期的に日本公演のご招待を受けるようになってからいつしか30年以上の月日が経ちました。その間に、当歌劇場が日本のいろいろな主要都市で行った公演も100回を超えるものです。公演の内容も、わたしたちのレパートリーの中でもっとも重要でもっとも注目度の高い作品を、ウィーンの聴衆にも日本のみなさまにも人気の歌手による上演でご覧頂くようにつねに努めてまいりました。ウィーン国立歌劇場の総監督として、この来日公演の伝統がまさにこの趣旨に沿って続いていることを大変喜ばしく思っております。そして2012年10月から11月にかけて行われる日本公演におきましては、つい最近ウィーン国立歌劇場が大成功を収めた、そしてさらに当歌劇場の上演演目の多面性をそのほんの一部ではありますが明確に示す選りすぐりの作品をご披露いたします。素晴らしい宮廷歌手エディタ・グルベローヴァがタイトルロールを演じるガエターノ・ドニゼッティの『アンナ・ボレーナ』、当歌劇場音楽総監督フランツ・ウェルザー=メストが指揮するリヒャルト・シュトラウスの『サロメ』および前音楽総監督の小澤征爾が指揮するピョートル・チャイコフスキーの『スペードの女王』です。小澤征爾氏はさらに若い観客にも楽しんでいただくため、モーツァルトの『こどものための魔笛』をウィーン・フィルハーモニー管弦楽団と国立歌劇場のアンサンブル・メンバーであるソリストの歌手とともに演奏します。この作品は、国立歌劇場で小澤氏のイニシアティブにより2003年以来毎年上演され、いつもオペラ座舞踏会の翌日に数千人のこともたちのために舞踏会用大広間となったフロアをそのままの状態で使用して上演されています。 2012年秋、日本のみなさまとの再会を待ち望みつつ、心からのご挨拶を添えさせていただきます。
ミラノ・スカラ座
Tearo Alla Scala
2012年│9月
ミラノ・スカラ座 総裁・芸術監督 ステファン・リスナー
スカラ座が心踊る日本への旅を行うようになって、はや30年。その歴史は、1981年9月、クラシック音楽の今世紀最高の解釈者とされる二人の巨匠、クラウディオ・アッバードとカルロス・クライバーが、東京で指揮したときに始まりました。未来の公演旅行はそのときすでに約束されていたのです。 以来、スカラ座は、1981年、1988年、1995年、2000年、2003年、2007年(スカラ座バレエ団)、2009年と7度にわたって――その間隔も次第に狭まっています――日本を訪れました。 現在、スカラ座は歌劇場として新たな時代を迎えています。2004 年には技術的な面で抜本的な改革を断行し、最新の舞台設備を導入しました。2005年からはダニエル・バレンボイムをスカラ座の常任指揮者に迎え、新たな音楽の地平を切り拓いていますが、スカラ座としての文化的アイデンティティと価値の連続性は、抜きんでた実力を誇る団員と技術スタッフによって守られています。 2013年は、クラシック音楽の歴史にとって記念すべき年といえるでしょう。ジュゼッペ・ヴェルディとリヒャルト・ワーグナーが生まれたのが、ちょうど200年前の1813年でした。スカラ座は、 4年ぶりとなる日本公演において、ヴェルディの名曲を集めた2回のアンソロジーコンサートと、2演目のオペラ公演というプログラムを用意いたします。すなわち、ヴェルディの創作活動の中でまったく時期を異にする2作品、「三大人気オペラ」の最初の傑作『リゴレット』と、輝かしい集大成として彼の作曲家人生の最後を飾った『ファルスタッフ』です。 21世紀もすでに10 年代に入った今、私たちはこれら2つのオペラの新演出作品を選び、管弦楽団や合唱団を、フレッシュなエネルギーと伝統への新しいまなざしを持った新たな才能の手にゆだねることにいたしました。日本は世界の中でも私たちが最も積極的に交流を続けてきた国です。日本の方々は、幾世代も前から、私たちのことを理解し、愛し、評価して下さっています。235 年前の創設以来、常に時代をリードし、未来を見つめつづけてきたスカラ座の新しい姿を見ていただくことで、私たちは日本の皆さまのこのような愛情と信頼に応えたいと願っております。