2009/11/16 2009:11:16:13:01:18[NBS最新情報]
2010年、NBSでは6月に英国ロイヤル・バレエ団、9月に英国ロイヤル・オペラの日本公演を開催いたします。ロイヤル・バレエ団は2年ぶり10度目の、そしてロイヤル・オペラは実に18年ぶりの待望の日本公演が実現することになりました。
この、いうなれば"英国ロイヤル・オペラ・ハウス 日本シーズン"を前に、英国ロイヤル・オペラ・ハウス(ROH)総支配人のトニー・ホール氏が来日。11月12日(火) に日本のマスコミとの記者懇親会を行いました。
ホール氏は、BBC(英国放送協会)出身。最高経営責任者として、ニュースとスポーツを扱う英国初の24時間ラジオ-BBCニュース24やBBCニュースオンラインを立ち上げるなど、大きな功績を残しました。
2001年にROH総支配人に就任後は公的な助成金に頼っていた経営体質を改善、スポンサーの獲得やファンドレイジング活動を積極的に推進することにより、ROHに経済的な安定をもたらした手腕が高く評価されています。また、新しき観客の創出にも力を注ぎ、これまでのオペラハウスにない発想で、さまざまな取り組みを行っています。
トニー・ホール氏のコメント
2010年はロイヤル・オペラ・ハウスにとってとても重要な年になります。ロイヤル・バレエ団が6月に、そしてロイヤル・オペラは9月に、3ヶ月をおかずしてほぼ同時に日本公演を行うことになるからです。
――英国ロイヤル・バレエ団日本公演について
ロイヤル・バレエ団は今回が10回目の日本公演となりますが、来日するたびに、日本の観客から大変あたたかく迎えられています。
今回の日本公演での上演作品(フレデリック・アシュトン振付「リーズの結婚」、ケネス・マクミンラン振付「うたかたの恋」、「ロミオとジュリエット」) は、ロイヤル・バレエ団のベストなものをご覧いただこうという考えで選んだと芸術監督のモニカ・メイスンが言っています。「うたかたの恋」は他の2作に比べて地味な印象を与えるかもしれませんが、ストーリーテリング的な要素があり、先日行われたロンドンでの公演も大好評でした。また男性ダンサーにとって非 常に難しい作品ですので、我々のバレエ団には優れた男性ダンサーたちがたくさんいることを観ていただきたいというのも、この作品が選ばれた理由のひとつに なっています。
――英国ロイヤル・オペラ18年ぶりの日本公演
ロイヤル・オペラは、18年ぶりということで、いささかご無沙汰しすぎた感はありますが、ロイヤル・バレエ団同様に日本の皆さまに歓迎していただけると信じております。
ロイヤル・オペラは8年前(2001年)より、アントニオ・パッパーノが音楽監督として率いています。私がここで申し上げるまでもなく、彼は真の音楽家であり、オーケストラや合唱からベストな才能を引き出す手腕は広く知られています。
日本公演では、リチャード・エア演出の「椿姫」とロラン・ペリー演出の「マノン」をご覧いただきます。「マノン」は来年6月の初演となりますので、まだ 具体的なことは申し上げられませんが、プランを見た限りでは素晴らしいものになると確信しています。ペリーはROHでこれまでも仕事をしているため、 チームワークが非常によく、カンパニーのことをよく考えてくれているので、私自身も楽しみにしています。
――ロイヤル・オペラ・ハウスの現状
ROHでは、この10年間、これまでバレエやオペラを観たことのない層、年齢層の若い観客に劇場に足を運んでもらうため、さまざまな試みを実行してきました。
そのひとつの例として挙げられるのが、大衆紙サン(Sun)の読者に向けて、7.5ポンド(約1,100円)から20ポンド(約3,000円)程度の(通常より割安な)料金を設定した公演の実施です。サン紙の読者はそれほど収入の高くない人が大半を占めており、企画を発表した当初は、そのような層がオペラやバレエを 観るはずがないという声も多かったのですが、結果的には約9割がはじめてバレエやオペラを観るという方たちでした。
ロイヤル・バレエ団の日本公演で上演する「うたかたの恋」をご覧になった方たちは、上演中は物音ひとつ立てずに舞台に見入り、終わった直後には一瞬水を 打ったように静まり、その後割れんばかりの拍手が起こりました。これをみても、サン紙とのタイアップ公演は大成功を収めたと言えます。
また9月には、こちらも来年ロイヤル・オペラが日本で上演するパッパーノ指揮による「椿姫」を、トラファルガー広場に設置した屋外大スクリーンをはじめ、国内外の劇場でライブ・ビューイングとして上演し、約10万人の観客を集めました。
このように、新しい見せ方によって、多くの方にバレエ、オペラに興味を持ってもらい、劇場に足を運んでもらえることが実証されたと言えます。
日本でも多くの皆さまに、英国ロイヤル・バレエ団、英国ロイヤル・オペラの公演をお楽しみいただきたいと願っています。