プティのロマンティシズム、
キリアンの美の造形、
ベジャールの爆発力。

ローラン・プティのロマンティシズムあふれる名作、東京バレエ団初演!
イタリアの貴公子、ボッレが情熱のファランドールを踊る

「アルルの女」東京バレエ団初演

振付: ローラン・プティ  音楽: ジョルジュ・ビゼー
装置: ルネ・アリオ  衣裳: クリスティーヌ・ローラン

Photo:Laura Ferrari

東京バレエ団のレパートリーに、またひとつ新たな20世紀の巨匠の作品が加わります。ローラン・プティ──生粋のパリジャンである彼の作品は、花の都パリの文化の粋を体現したようなエスプリの香りと、美や芸術への情熱を凝縮した独特のテイストが魅力。オペラ「カルメン」で有名なフランスの作曲家ジョルジュ・ビゼーの、もう一つの傑作ともいわれる「アルルの女」に振付けられたこのバレエは、幻影の女性を追い求めて身を滅ぼす青年と、その婚約者の悲恋を描く、プティのロマンティシズムがあふれ出す傑作です。イタリアの国民的なスターにして、世界のバレエ界で活躍する貴公子ロベルト・ボッレが、その美しい容姿と演劇的なセンスにふさわしい作品に登場します。ボッレと上野水香は昨年、モスクワにおけるクレムリン・ガラで同作のパ・ド・ドゥを踊り、絶賛を浴びました。また、ドラマティックな役柄に抜群のセンスを発揮する柄本弾と、近年、作品ごとに著しい進境を見せる川島麻実子のペアも主演。精鋭の群舞も含め、東京バレエ団による初めてのプティ作品にご期待ください!


モーツァルトの珠玉の音楽にのせて、
男と女のナイーヴな関係を描く

「小さな死」東京バレエ団初演

振付: イリ・キリアン  音楽: ウォルフガング・アマデウス・モーツァルト

Photo:Daisy Komen

モーツァルト没後200年に際して、巨匠イリ・キリアンがピアノ協奏曲第23番と第21番を使って創作し、ザルツブルク音楽祭で初演。男性と女性の繊細で傷つきやすい関係が、3組のペアの流麗なパ・ド・ドゥによって表現されます。キリアンが人間の身体を使って紡ぐ驚きのボキャブラリーと美しい造形は、20世紀のバレエが到達した一つの頂点といえるでしょう。かつてオレリー・デュポンとマニュエル・ルグリ、シルヴィ・ギエムらが抜粋を披露して絶賛を浴びた傑作の全編に、東京バレエ団が初めて挑戦します。


ストラヴィンスキーの革命的な音楽を視覚化した世紀の傑作

「春の祭典」

振付: モーリス・ベジャール  音楽: イーゴリ・ストラヴィンスキー 

Photo:Priamo Tolu

20世紀初頭、バレエ・リュスの伝説の渦中で誕生した「春の祭典」は、“現代音楽史上もっとも重要な作品の一つ”と言われるストラヴィンスキーの音楽のおかげで、さまざまな振付家によって幾度も蘇りました。なかでも人間の欲望、獣性、闘争を描くことでストラヴィンスキーの音楽を鮮烈に視覚化した、傑作中の傑作と称されるのが、モーリス・ベジャール振付の「春の祭典」です。“第2のベジャール・バレエ団”と呼ばれる東京バレエ団の国内における久々の上演、主役の生贄の男と女をはじめ、フレッシュなメンバーによる舞台にどうぞご期待ください!

※各演目の音楽は特別録音による音源を使用します。