〈バレエの王子さま〉 王子さまたち、ここが魅力! ついに開幕間近となった新企画〈バレエの王子さま〉。 公演を前に、制作担当スタッフに王子さまたちの魅力やこぼれ話、公演の見どころを聞きました!

NBS新企画として登場する公演、
その誕生秘話とは──?

「当初の企画意図は、男性ダンサーに焦点を当て、興味深いことをしてくれる人を招きたい、ということでした。ルドルフ・ヌレエフから脈々と続く男性ダンサーの魅力を、たっぷり体感していただける公演を目指しています」。
 出演者たちは皆それぞれの魅力いっぱいの素敵な王子たちだが、まずは「正統派であるなかにも、男らしさが感じられるダンサー」のレオニード・サラファーノフ。「5年前、ミハイロフスキー劇場バレエに移籍してからは、より自由に、余裕をもって取り組んでいるようですね」。今回の公演では、「仲良しのシムキンたちと『エチュード』で共演することを、本当に楽しみにしているそう」という。作品に取り組む姿勢は実に真摯だが、「実は意外とお茶目なところがある」。“三枚目の正統派ダンサー”と言ってもいいかもしれない。
「彼こそ“現代のトゥルー・プリンス”!」とスタッフが太鼓判を押すウラジーミル・シクリャローフ。昨年6月の東京バレエ団『ラ・バヤデール』に客演し、その美しさを強く印象づけた。「ワガノワ・バレエ学校在学中から、“王子”として女の子に大人気だったと聞いています。公演最終日に和食の店にお連れしたら、日本酒(というか、お酒全般)が大好きとのこと! 朝方まで陽気にお酒を楽しんでいました。指揮者のベンジャミン・ポープさんと熱く語り合っていましたよ」。
“ハートにドキューン!”というコピーがぴったり! なキュートさが魅力なのは、ダニール・シムキン。「弟キャラのイメージが強いかもしれないけれど、最近はぐんと大人の雰囲気も醸すように。バレエ学校でなく、普通の学校に通ったことが知られています。驚くべきほどの、きちんとしたアカデミックな踊りが魅力。いつも読書しているし、村上春樹が大好き。新しい翻訳が出るとすぐ買っているそう」。今回、マリア・コチェトコワとは『チャイコフスキー・パ・ド・ドゥ』を踊る。「2009年の世界バレエフェスティバルの幕開き、二人が颯爽と演じ大喝采を浴びたあの舞台をもう一度ご覧いただけます!」。
 英国ロイヤル・バレエ団のプリンシパル、エドワード・ワトソンは、“狂気で魅せる、現代の王子”ともいえる独特の存在感、演技力が魅力。こうしたガラ公演に登場する機会があまりなかったが、「出演オファーをとても、とても喜んでくれました。英国人らしい礼儀正しさと、頭の良さを備えたダンサー」。今回、サラ・ラムとはマクミランの『マノン』第3幕(沼地)のパ・ド・ドゥを踊る。抜粋上演の許可がおりないことで有名な場面だが、「著作権者のデボラ・マクミランさんと、本人が直接話して許可を得たそう。マクミラン作品の名手だからこそ、許されたのでしょう」。今回の英国ロイヤル・バレエ団日本公演には参加していないが、6月中旬にはマクレガーによる新作のリハーサルが開始、マリオットの新作とともに、この公演のために二つもの新作に取り組む心意気に感服!
 さらに、先日追加で出演が発表されたダニエル・カマルゴ。ブラジル出身、シュツットガルト・バレエ団のプリシパルとして、昨年の日本公演でも大注目された、“太陽のように明るい、朗らかなラテン王子”。この秋、活躍の場をオランダ国立バレエ団に移すという。
「シュツットガルトでは『ドン・キホーテ』に主演していますが、彼のためにわざわざ上演しているのでは、と思えるほどの素晴らしさだそう。オランダでもっとクラシックを踊りたいという思いがあるそうですね」。
 彼とサラファーノフ、シムキンという異色のトリオで上演されるのが、ノヴィツキー振付による『同じ大きさ?』。昨年のシュツットガルト・バレエ団日本公演のガラで上演された、ユーモア満載のチャーミングな小品だが、「その時は若手が踊っていた作品。今回はそれを王子たちが踊るので、ノヴィツキーは振付を少し変えようと思っているそう。シュツットガルトで個別にリハーサルを行った後、公演直前の東京で、全員揃っての稽古が実現。これは楽しみですね」。
 ここでしか観ることのできない、スペシャルな事件が満載の公演となりそうだ。

〈バレエの王子さま〉

【公演日】

2016年
7月15日(金)7:00p.m.
7月16日(土)2:00p.m.
7月17日(日)2:00p.m
7月18日(月・祝)2:00p.m.

会場:文京シビックホール

【予定される演目】

ランダー振付「エチュード」、マグレガー振付新作、ノヴィツキー振付「同じ大きさ?」ほか
*演奏は特別録音による音源を使用します。

共演:東京バレエ団

【入場料[税込]】

S=¥16,000 A=¥14,000 B=¥12,000 C=¥9,000 D=¥7,000
学生券=¥3,000

★ペア割引(S,A,B席)あり ★親子ペア券(S,A,B席)あり
*表記の出演者と演目は2016年6月14日現在の予定です。出演者の都合、怪我、病気等で変更になる場合があります。