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最新情報
【英国ロイヤル・オペラ】アルビナ・シャギムラトヴァ ビデオ・メッセージ
先週までロンドンで再演されていた「ドン・ジョヴァンニ」で、高貴なドンナ・アンナ役を演じて絶賛を浴びたアルビナ・シャギムラトヴァ。コヴェント・ガーデンのロイヤル・オペラハウスから公演の合間をぬって、日本の観客に向けたメッセージをくれました。来日はこのたびが初めてになり、彼女自身もとても楽しみにしているそうです。ロンドンっ子を沸かせたドンナ・アンナにぜひご期待ください。
ローランド・ヴィラゾン ビデオメッセージ
現在、ロイヤル・オペラ・ハウスで上演中の「ドン・ジョヴァンニ」に、ドン・オッターヴィオ役で出演中の、ローランド・ヴィラゾンから、メッセージが届きました。
ヴィラゾンは、カスパー・ホルテンの演出によるこのプロダクションの魅力を、指揮者のアントニオ・パッパーノがいかに優れた指揮者であるか、日本の観客に再び会えることをどれほどこころ待ちにしているかを、身振り手振りを交えながら、熱く語っています。
ヴィラゾンのこの心のこもったビデオメッセージをご覧いただくと、日本公演への期待がきっと高まります!ぜひご覧になってください。
リュドミラ・モナスティルスカ "ザルツブルク復活祭音楽祭"でも大反響!
ヨーロッパの春の一大フェスティバル、カラヤンが創設した"ザルツブルク復活祭音楽祭"で、クリスティアン・ティーレマンが率いる2015年度のハイライトがマスカーニ『カヴァレリア・ルスティカーナ』&レオンカヴァッロ『道化師』だった。このダブル・ビルを一人で歌い通したヨナス・カウフマンに焦点を当てたプロダクションではあったのだが、ここでひときわ話題を集めたのがリュドミラ・モナスティルスカだ。前者のサントゥッツァが彼女の役柄で、通常メゾソプラノに割り振られる役柄をソプラノの彼女が歌って大反響を起こしているのには、それなりの理由がある。
ザルツブルク復活祭音楽祭『カヴァレリア・ルスティカーナ』
アンブロージオ・マエストリ(アルフィオ、中央)、の右がモナスティルスカ(サントゥッツァ)
Photo: Andreas J. Hirsch
ウクライナ出身のモナスティルスカは強靭な声帯から発せられる豊麗な声と同時に、リリコからスピントの役柄までをカヴァーできる卓越したテクニックと、ゆたかな表現力で近年急速に評価が上がっている歌手だ。加えて充実した低音域をあわせ持つことから、今回のサントゥッツァで予想を越える成果をあげ、彼女のキャパシティの大きさが証明されることになった。愛と嫉妬がせめぎ合うシチリア女の情念を、あますところなくステージに反映させて、ザルツブルク祝祭大劇場で絶賛の嵐を巻き起こしたのだ。このときは、ティーレマンが彼女をヴェルディ「レクイエム」にも起用していることを付記しておこう。
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9月に予定されている"英国ロイヤル・オペラ"日本公演の『マクベス』で、モナスティルスカがマクベス夫人役に起用されているのは、じつに当を得たロイヤル・オペラ側のキャスティングだ。ヴェルディ初期の作品では、往々にしてドラマティックな重い声で敏捷(びんしょう)なコロラテューラ楽句を歌わなければならない至難な、いわゆるアジリタ技法がソプラノに要求されていて、なかでもマクベス夫人役は、その最たるものなのだ。このため同役を十全に歌うことができる歌手がほとんど居ないのが現状だが、やはりヴェルディによる同趣向の作品である『ナブッコ』のアビガイッレや『アッティラ』のオダベッラをロンドンやベルリン他で歌って、現在、この領域における第一人者としての評価を確立しているモナスティルスカこそマクベス夫人には最適であり、期待が膨らむ一方だ。
ソプラノのレパートリー中、歌唱力、表現力ともに大きなスケールが問われる『アイーダ』やプッチーニ『トスカ』をも、すでにスカラ座やメトロポリタン・オペラで成功させているモナスティルスカだから、ついにウィーンも陥落。16年3月に『アイーダ』でのデビューが決定して、モナスティルスカの世界制覇達成だ !!
(山崎 睦 在ウィーン、音楽ジャーナリスト)
【英国ロイヤル・オペラ】「マクベス」バックステージ映像2~アントニオ・パッパーノ インタビュー
2011年に英国ロイヤル・オペラハウスで「マクベス」を上演した際のバックステージ映像、第2弾として、英国ロイヤル・オペラの音楽監督であり、日本公演でもこの作品を指揮する、アントニオ・パッパーノのインタビューをお届けします。オペラがどのように作り上げられていくかを語った貴重な映像です。ぜひご覧ください。
「ドン・ジョヴァンニ」ツェルリーナ役のレージネヴァが来日、圧倒的な超絶技巧で話題に。
今秋のロイヤル・オペラ日本公演『ドン・ジョヴァンニ』でツェルリーナを演じる新進ソプラノ、ユリア・レージネヴァが、先ごろ、神奈川県立音楽堂のバロック・オペラ「メッセニアの神託」に出演し、会場を沸かせた。
彼女が演じた役トラシメーデは、いわば準主役なのだが、圧倒的な聴かせどころとなる超絶技巧アリアが与えられている。第2幕で彼女がこの曲を歌い始めると、観客の誰もがずんずんと引き込まれていくのがわかったし、歌い終わった途端に「ブラボー!」の声。アンコールが行われるまで途切れないのでは?と思うほど、長い拍手が続いた。そしてさらに、この幕が終わった休憩時間には、会場ロビーのCD売り場に人々が殺到。今聴いた、レージネヴァの歌うアリアが入った全曲アルバムが飛ぶように売れていった。誰もが、もう一度聴きたい!という衝動に駆られずにはいられない、それほど凄い歌唱だったのだ。
ユリア・レージネヴァは、サハリン生まれの24歳。17歳のときにエレナ・オブラスツォワ国際コンクールで優勝し、国際的な注目を集めた。以後、ファン・ディエゴ・フローレスとのロッシーニ、プラシド・ドミンゴとのヘンデルなどをはじめ、錚々たる先輩歌手と共演も果たし、ニューヨーク・タイムズでは"天使のように美しい声"、オペルンヴェルト誌では"澄んだ音色"、ザ・ガーディアン紙では"完璧なテクニックの持ち主"と評されてきた。まさに世界中の期待が寄せられている若手ソプラノである。
この公演に先立つインタビューでは、歌うことが楽しくて仕方がない、という表情と言葉が溢れた。『ドン・ジョヴァンニ』のツェルリーナを演じることについては「若くて、可愛くて(笑)、お友達に囲まれて私は花嫁になるの、幸せなのよ、っていうところが、私にぴったり!」とお茶目な笑顔を見せる。愛らしさと驚異的な歌唱力で観客をノックアウトするに違いないレージネヴァのツェルリーナ。来る6月に英国ロイヤル・オペラでのデビューの後、日本へとやって来る。
(吉羽尋子 音楽ライター)
撮影:堀田力丸
*インタビューはNBSニュース4月号にて紹介します。